あなたへの想いをどうすれば正確に伝えられるのだろうか?


ハッピーバレンタインの人も。
そうじゃない人も。
物語の中くらいは幸せであるように。

この間の名前拝借BLネタ続きです。
BLなので、ご注意ください。


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甘きチョコと共に。



仕事がひと段落して携帯を見るとメールが来ていた。
事務所からか、それとも仲間からか。
そんなことを考えながらそのメールを開く。
差出人を見て少し驚いた。
けれど、顔には出さない。もちろん声も。
表面上は冷静に携帯をいじり、メールを見ているようにしか
見えないように気を配りながら、それでもうれしさに少し顔が
ほころぶのを抑えられなかったのは、責められることではないだろう。

そのメール差出人は用事を終えた携帯を仕舞い
置いてあったかばんを取りコートを着込んだ。
「じゃ、お先です。お疲れ様でした~」
そう言って、何事もなかったように外へ向かっていった。
「お疲れ~」
という声が彼の背中と閉まるドアを追いかけるように聞こえていた。
その中に、少し驚いた声のあいつもいた。
スタジオを出て、一人。
世間はバレンタイン色に埋まっている。
そこかしこで、チョコレートが山積みされていた。
コンビニでもデパートの地下売り場でも。
それらをなんとなく物色してみた。
もちろん何気ない風を装ってである。
いくらなんでも、男が一人でバレンタイン売り場にいたら
少し、どころかかなり怪しい。
だから何を間違えたのか、迷い込んだ風を装いチョコレートを眺めていた。
実際、彼はチョコを貰う立場だ。
毎年たくさんのファンの人からチョコレートやいろいろなプレゼントが贈られてくる。
それはとてもたくさんの愛に包まれていて。
バレンタインというイベントを借りて気持ちを伝えてくれる。
優しくて、愛しいイベントだった。

事務所に寄ってそのバレンタインのプレゼントと台本を受け取り
この一週間のスケジュールを確認して家に戻る。
その途中のスーパーで学生のころ以来のことをしようと材料を買い込んできた。
「さて。作るか」
彼は買ってきた材料を取り出し、本を見ながら分量を量っていく。
学生のころはよく自分が食べるために作っていた。
手作りは甘さを調節できるのがいい。
生地をなじませる間にTVをつける。
冬季オリンピックの結果が速報で流れていた。
「あちゃ~・・。メダルはだめだったか」
TVの音を聞きながら、次の準備に取り掛かった。
そしてすべてが終了した時には3時間くらいたっていた。
「おっし。ま久々にしては上出来だろう」
彼は出来上がったものを愛しそうに見つめ微笑んだ。
そういえば、誰かにあげるために作ったのは初めてではないのだろうか?
誰かにあげようなどと考えたこと自体なかったせいもある。
20数年生きてきてまさかこんな「はじめて」を体験することになるとは思わなかった。
はたして喜んでくれるだろうか?


チャイムが鳴り玄関を開ける。
そこには、昼間一緒に仕事をした大切な相手が少し照れたような顔でいた。
「お疲れ様です」
「おう。入れよ」
フローリングの床でまじめに正座をするところが、こいつの性格をよくあらわしているな。
そんな風に苦笑して彼は笑った。
「足崩せよ、ともかず」
「えっ!!」
言っていることはたいしたことじゃないのに、必要以上に赤くなるのは
名前を読んだからか。
「フローリングの床で正座なんて痛いだけだろ。適当にくずせって」
言われたことを理解したのか、ともかずは苦笑して足を崩した。
「トリノは調子悪いですね」
TVの話題は半分以上がそれだった。
「そうだなあ」
なんとなく相槌を打っていつ渡そうか考える。
「そういえば、淳さん。バレンタインのプレゼント貰いました?ファンの人たちから」
急に振られて、どうしたのかと思った。
「ああ。手で持ってこれる分は貰ってきた。あとはまた今度だな」
毎年事務所に送られる数が増えているとそんなことを考えていた。
「俺なんかにチョコとかプレゼントを贈るよりほかの事に使えばいいのに」
ともかずはなんともいえない表情で呟いた。
もちろんファンの子たちの行動が嫌なわけじゃない。
ただ、急にそんな風にたくさん貰う立場になって戸惑っているのだろう。
応援してもらえることを感謝してやまないのだから。
本当は手紙だけでいいのだ。
見たアニメやゲーム・イベントの感想。近況報告。
そんな何気ないことが元気をくれる。
手紙で返すことは出来ないけど、その思いを全部込めてセリフを言うから。
「素直に受け取れって。ファンの子たちはお前に何かしたくて
仕方ないんだから。お前が喜んでくれるかな?って選んでいるときの
彼女たちは幸せそうで、その時間はきっと彼女たちには有意義なんだよ。
だから、それを投げ捨てるようなことあんまり言うなよ」
バレンタイン売り場の女性たちがそうだった。
わいわいと騒ぎながら好きな人のことを考えながら選んでいた。
その顔はきらきらと輝いていて綺麗だと思った。
「そうですね・・・・・・」
ともかずは困ったような顔だったけどそれでも笑った。
「で、お前は俺がやるっていうのも、いらないとかいうつもりじゃないんだろうな?」
「は?・・・・・・淳さんが俺にくれるんですか?」
そんなことは考えていなかったとばかりに驚いたともかずにむかついた俺は
「いらないならやらない。達とかにやるし。せっかく作ったのにさ」
慌てるのを見たくてわざとそう言った。
「えっ?!作ったんですか??」
「でも、いらないんだろ?お前・・・・。あ、達央?今から来れるか?」
本当にわざとだった。
電話の向こうの相手は少年を終えけれど青年というのとも違う。
微妙な年のころ。その若さゆえの強さと無鉄砲さ。そして柔軟性をもって
輝いている可愛い後輩。
「なしたんすか~?」
かすかに別の声もする。こちらもあっという間に進化していく頼もしい後輩がいた。
「うん、ちょっと懐かしさにお菓子作ったんだけどさ、食いに来るか?」
「まじっすか?!行きます!!」
2人の声が綺麗に重なって2時間後にという約束で電話は切れた。
「さ、どうする?」
「・・・・・・・・・・・・嫌な人ですね」
ため息をついてともかずは肩をすくめた。
「それじゃ、俺の立場ないじゃないですか?」
ともかずは、苦笑しながらかばんから箱を出す。
それを差し出してきた。
「バレンタインだからというわけじゃないです。ただ・・・」
いいわけじみた何かを言おうとしているともかずの
首を引き寄せてくちびるを重ねた。
何度も何度もキスを繰りかえす。
「・・・・・・・・いいわけなんていらない。世間のイベントだってなんだっていいじゃねえの」
「プレゼントで気持ちを量るのは嫌です」
まじめに言うともかずの声を心地よく聞いていた。
その中身をまじめに考えなければ心地いい声だ。
「うるさい。制限時間は1時間半だな」
「は?」
きょとんとしているともかずを押し倒しキスをする。
もう一度。何度でも。
その肌に触れて。熱を持つ体を重ねて。
何度も欲しがった。
そのすべてを。

制限時間後二人の後輩は約束どおりに現れ、何事もなかったように
4人で騒いでバレンタインの夜は更けていく。

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はっぴ~バレンタインっ!!

いや、私的には一方的に贈りつけて終わるだけのバレンタインだが。
茶々いれ係は可愛い後輩くん二人になりました。^^;
いや、飲み会には駆けつけるらしいから。あはは・・・。
何のことかはたーくんの日記を振り返ってください。

話の中だけでも幸せそうなのを書いてみた。
BLシーンは減らしてみました。
それが目的ってわけじゃないので。
っていうか、作ったのはクッキーよね。ケーキは生地休ませる必要ないから。

こういう騒いだバレンタインも面白いかもね。

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この記事へのコメント

弁心
2006年02月16日 05:31
お疲れさまです。朝から期待しながら見っちゃたの
でした♪ 前回も読んでますがキャラがスキです。
やはり生活シーンやキャラ達の複雑な心の感情が
ビシバシ伝わります・・・また読みたいですね。
楽しみです♪ えっ?色いろな意味で、です♪

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